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日本の規制標識に円形が用いられた理由

角型の標識の場合、禁止を意味するための赤枠が、夕方薄暮時においては、角の隅の部分が切断されて。円形に見えるおそれがあるため
標識本来の使命である「目立ちやすさ」を強調するため、特に規制標識においては、形状が角であると周囲の家並みの形態その他、一般街路においては直線と交差した形態が多く、さらに、広告、看板等、角の形状のものが多くまぎらわしい。
同一の面積の円形と正方形を比較した場合、直径1に対して正方形の一辺が約0.9となり、円形のほうが視覚的に大きく見える。
従来の標識では、上下に和文、英文を配置する関係上、角型が用いられたが、改正後の規制標識はその必要性が薄い。
「絶対的な禁止を表示するもの」(例えば「車両通行止め」)と「肯定的な命令もしくは指定を表示するもの」例えば「指定方向外進行禁止」を区別して表示するには、円形か正方形かという形状ではなく、色即ち赤枠、白地、青記号と青地、白記号で十分識別できる。

指示標識は、標識種類ごとの形状に差異をつける必要から、その形状は正方形とし、色彩は青地、白記号とされ た。ただし、「一時停止」の標識については、検討の結果、その重要性から特に他の標識と区別するため、ドイツで採用している最も視認性が高いと認められて いる不安定な形状の頂点を下に向けた逆正三角形とされた。 また、歩行者保護の立場からすれば、「横断歩道」、「徐行」、の標識は「一時停止」とともに最も主要な標識であるので、その形状、色彩、記号についても検討され「横断歩道」は特別な五角形、「徐行」は「一時停止」との交通工学的な関連において逆正三角形とされた。

「参考文献:(社)全国道路標識・標示業協会発行 道路標識ハンドブック」

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