
道路標識の「表示する部分」が標識板(標示板)です。記号や文字、数字を正しく伝えるための重要な部材であり、安全で円滑な道路環境を実現するためには欠かせません。ここでは、標識板の素材や構造、取付金具についてご紹介いたします。
●標識板の素材
標識板には、アルミニウムが最も多く使用されています。軽量でサビに強く、長期間屋外に設置される標識板には適した素材です。
かつては鋼板が主流でしたが、経年劣化によるサビの発生を避けるため、現在はアルミ板が標準的に採用されています。
設置環境や景観に応じて、木材や合成樹脂を用いるケースもあります。
●標識板の構造
標識板は、表示面となる板材に補強材(リブ)を溶接して製作されます。
板の厚み(板厚)は 1.0mm/1.2mm/2.0mm が一般的です。
補強材(リブ)は、風によるたわみを抑え、板の変形を防ぐ役割を持ちます。リブには「高リブ」「平リブ」など複数の種類があります。このリブは偏芯設置(柱の中心からずらして取り付ける)にも対応した構造をしたものが用いられます。
また、標識板の縁に「カール」(縁曲げ)を設ける場合があります。カールは衝突時の衝撃を和らげ、特に歩行者の安全性向上に寄与します。なお、リブやカールの仕様は都道府県警察によって異なるため、地域によって標識板の形状に特徴が見られることもあります。
●取付金具
標識板を柱へ確実に固定するためには、専用の取付金具が必要です。代表的なものをご紹介します。
□Uバンド(路側式標識の金具)
標識柱に直接標識板を取り付ける際に最も多く使われる金具です。標識板裏面のリブにボルトを差し込み、標識板と柱を挟み込むようにして固定します。仕様によっては、ゆるみ止め機能付きナットの使用が求められる場合もあります。
□両面金具
1本の柱に標識板を前後2枚取り付けたい場合に使用します。1つの金具で標識板2枚を同時に固定するタイプと、コの字型の金具で標識板の端同士を固定するタイプがあります。
□F型標識用金具
案内標識などで使われるF型構造の柱には、
・吊材(Tバー)
・クランプ金具
・ツメボルト
などの専用金具を使用します。梁材と標識板の間でこれらを組み合わせ、確実に固定します。
●参考文献
・一般社団法人全国道路標識・標示業協会(2024)『2024年度版 道路標識ハンドブックII』pp.3-4
・公益社団法人日本道路協会(2020)『道路標識構造便覧』丸善出版pp.35-42
